定点観測 北海道・新冠町から
これからの医師は"人間の死"および"終末期ケア"について,いつ,どこで,誰に学ぶのか
矢澤 信明
1
Nobuaki YAZAWA
1
1新冠町国保病院
pp.598
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208874
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今までの日本の医療は,ひたすら「生きること」への追求に励み,延命への努力に精力を傾けてきました.医師は自分の受け持つ患者の死に遭遇した時,医の敗北を感じ,空しさに陥るものです.
日本では,当然かつ誰にも確実に訪れる「死」については口にすることを避ける習慣があり,病院では4(シ)のつく病室はなく,結婚式などでも「死」を口にすることは嫌われています.しかし,ヨーロッパ諸国では"Death is nature",すなわち「死」は当たり前の事象として認識され,学問的にもターミナル・ケア(終末期看護)の分野が古くから発達し,そのための施設(ホスピスなど)が多く見られます.
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