医療の周辺 人間工学—病院建築への提言・2
機能の分類
古川 俊之
1
1東京大学医学部医用電子研究施設
pp.512-513
発行日 1980年6月1日
Published Date 1980/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207175
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集中度の高い設計思想の病院は,敷地面積の制約や建築費の節減のためにも増える傾向にある.これには幾つかの利点があって,各科の連繋が良く,講堂,ロビイなどが共同利用でき,移動距離も少ない.外部からの侵入を防ぎやすく,維持費も相対的に低くなる.そこで欠点を補う積極策を考えれば,集中型設計の評価は更に高まるはずである.欠点の主なものは,防災上の問題と,改造・拡張に対する制限であり,その他,機能上では各科の独立性が悪く,窓のない部屋ができやすいことなどである.これらの対策としては,機能を分散することが肝要と考えられる.
機能の分散は単に内科と外科を分けるといったことの他に,例えば火を使う場所,化学物質を扱う場所などを分ければ,防災対策は必然的に高水準となると期待できる.
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