院内管理のレベル・アップ 医療社会事業(MSW)
病院におけるMSWの役割・2
続・医療社会事業(MSW)理解のために
田戸 静
1
1葛飾赤十字産院・医療社会事業部
pp.228-229
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206481
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わが国の医療社会事業のあゆみ
MSW前駆時代
わが国において近代的病院や看護の形態が整備発達したのは,明治から大正・昭和へかけてである.そして病院においては,らいや結核は社会性疾患として人々からその伝染性を恐れられ,患者はもちろん,その家族も社会から疎まれ,差別感を背負いきれない精神的苦痛を受ける.また世間の偏見とたたかうことは並大抵でなく一家離散,路頭に迷う例も稀ではなかった.こうした病人やその家族,あるいは妊産婦や乳幼児などに対して社会的援助や生活相談の係が自然発生的に病院の中にできた.
記録的には大正8年(1919)泉橋慈善病院—現在の三井記念病院—に婦人相談員が,大正13年(1924)東京市中野療養所—現在の国立中野病院—大正14年(1925)に全生病院—現在の多摩全生園・らい療養所—にそれぞれ専任の相談員が配属された.
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