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こども病院における看護体系の特異性とその対策の検討
平田 美穂
1,2
1兵庫県立こども病院
2神戸大学
pp.51-60
発行日 1974年9月1日
Published Date 1974/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205434
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まえがき
欧米では,小児総合病院についての発想の歴史ははなはだ古く,すでに1802年にパリにおいてその第一声が唱えられ,爾来,各国に小児総合病院が続々と建設されはじめた.そして今日では,成人は一般総合病院で,小児は小児総合病院で診療を受けるというのが,国民のまったく日常の常識となっている.そして英国・ソ連等では,一般総合病院(General Hospital)から小児科という診療科目は漸次なくなりつつある現状である.
さてわが国でも,従来の小児科(内容的には小児内科)の患者だけを収容してきた,小児科病棟という診療科単位の考え方・形態より脱却して,病児は診療科目にかかわりなく,看護単位を中心とした考え方の小児病棟に収容する傾向が次第にふえてきつつあったが,近年この考え方をさらに進めて,成人の総合病院と同じような機能・構成をもつ小児総合病院が必要不可欠であることがようやく認識されてきた.そして昭和40年(1965)にはじめて東京に国立小児病院が誕生して以来,今日までに大阪・神戸・神奈川・愛知・東京清瀬と,6つの小児総合病院が開設されたことはまことに喜ばしい.
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