問いかける沖繩・9
‘地域医療’部(1)—沖繩の特性
鈴木 淳
1
1琉球大学付属病院地域医療部
pp.120-121
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205116
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渦巻く診療不満……
沖縄の二大新聞は朝刊でも夕刊でもほとんど毎回といってよいぐらい医療関係の記事を載せている.急病患者の取り扱いの不当性,離島鄙地での診療苦,難病者の本土加療,医療職員数の不足,これらの背後にあると想定される行政への不満が述べられ,結局は国の無為無策ぶりを指摘することになる.結論が抽象化される一方,現実へも厳しい眼が向けられ,現存診療所病院の運営ぶりも批判の対象となり,なかには医師不信の情念を露骨にあらわした投書もしばしば掲載される.
赴任の当初は保健医療関係記事をひとつずつ丹念にスクラップしていたが,あまりに数が多いのと,使用ゴシック活字が1-2号なみなので,切り抜きどころではなく,ここ数か月前より全紙を机上にただ積み重ねる始末となった.
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