病院と統計
国民総医療費
石原 信吾
pp.10-11
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205094
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厚生省が8月8日に発表したところによると,昭和46年度の国民総医療費は2兆7710億円,国民1人あたりでは約2万6000円になるという.
その対前年伸び率は9%弱.45年度の19%弱にくらべれば大変な減少ぶりだ.新聞では46年7月の保険医総辞退の際の患者減も主な原因の1つと報じていたが,それは患者数にして約86万人,金額では220億円であるから,そこからの影響は1%にも足りない.日ごろ,総医療費の増加によっていまにも日本経済が破算しそうなことを言ってきた新聞にとって,今回はちょっと勝手がちがったらしく,どの新聞の論調もあまりさえなかった.それでも,47年度には3兆円を越すだろうとか,例によって43.7%という一般診療費に対する薬剤費の比率が高すぎるとか言って,従来の見方を執拗にくり返していた.
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