特集 新医療費と医療の流れ
座談会
新医療費と医療の流れ—背景と評価を主題に
尾口 平吉
1
,
高木 紹夫
2
,
石原 信吾
3
,
行天 良雄
4
,
小笠原 道夫
5
1全国自治体病院協議会
2深谷赤十字病院
3病院管理研究所
4NHK
5河北病院
pp.37-44
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207646
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小笠原(司会) 昨年6月の改定が大きな波紋を起こしていることには,二つの理由があると思います.一つは,今度の改定そのものがいろいろの方向性を示した改定であること.もう一つは医療の総わくがちっとも拡がらなかったこと.また,増収が全くないという非常なショックに加えて自分の病院の収入以外に,日本の総医療費という観点からみると総医療費をこれ以上増やしてはいけないという気持ちがある.そういう自分自身の中のジレンマが一つのいら立ちになっているということです.総医療費を増やさないで,わく内再配分ということがあるわけですが,これもいくら考えたって限度がある.
そこで,この辺で日本の医療に新しい発想による組み直しをしなければいけないと,概念的に考えてもその結論が出ない.ですから新しい道の目途がついてくれば多少はそのいら立ちも収まるという気もしますが,差し当たって3年4か月待ってた医療費の増額がないという目の前の苦しさというものは,これはもう覆い隠しようがないわけですね.
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