病院史のひとこま
大学における病院管理教育の芽ばえ
島内 武文
1
1東北大・病院管理学
pp.83
発行日 1972年4月1日
Published Date 1972/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204639
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病院管理学教育の必要性
昭和24年6月に厚生省病院管理研修所が開設され,全国の病院長の研修が始められたのは,わが国の医療史上画期的なことであった.その間に感じられたことは、病院管理の改善には病院医師の理解が最も必要であるということであった.医師は医療に際して最も中心的な役割をもち,ことにわが国においては病院の管理も医師たる院長によっていて,病院のあり方に最も大きい影響力をもっている.院長が,それぞれの病院において医療の改善を試みる場合にまず遭遇するのもしばしば医局の厚い壁であった.
しかしながら当時研修計画を立てる際,院長について予定できる期間はせいぜい1週間までであって,日常診療に追われている医長・医員についてはなかなか研修の余裕がない状態であった.そこで,医学部における医学教育において,医療のあり方,病院管理の改善について教育が行なわれる必要があるということになった.
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