--------------------
第14回国際病院連盟会議の印象
落合 勝一郎
1
1聖路加国際病院
pp.64-69
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202764
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
6月の季節にはいると,ヨーロッパのさいはての地スカンジナビアの国ぐにに住む人たちにとっては,1年中でもっとも楽しいシーズンとなる。太陽のない,うっとおしく,きびしい冬が9月の終わりから5月の初めまで続くと,急に短い春を素通りして,夏がやってくる。リラ,コデイン,名も知らない花々が,むせかえるように一度に咲きほこる。木も森も林も若葉青葉でふくらむ。空は青く,水は豊かに澄んで美しい。そして太陽はこの季節になると早暁の4時にはもう,さんさんと輝いて深夜まで沈まない。—白夜である—。
こうして,スエーデンの人たちは,6月の終わりに何日かつづく白夜祭には職場も学校も休みになって,老いも若きも男も女もこの短い太陽の季節を楽しむのである。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.