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質疑応答
福島 直喜
1
,
塚本
1自治省公営企業課
pp.76-77
発行日 1962年5月1日
Published Date 1962/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201928
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地方公営企業法の適用
問1 地方公営企業法の財務規定を病院事業に適用することの意義と,適用の範囲あるいは問題点について。(122回事務長研修会ほか)
答1. 一般に財務会計という言葉は,経済体のいとなむ経済活動を記録し,かつ,その結果を計算するための一定の体系といわれています。この場合,経済活動は消費活動と生産活動に分けられます。消費活動を記録するのが消費会計であり,生産活動を記録するのが生産会計ということができます。このうち,消費会計は,一応いかなる消費が行なわれたかを記録すれば足りますが,生産会計は単に消費の事実のみでなく,生産のために必要とされる消費,すなわち経済的価値を作り出すための経済価値の消費の過程を明らかにし,これとともに生産活動の内容も記録計算することが必要です。病院は,これを経済行為のうえからみますと,診療というサービスを患者に提供し,その対価として診療報酬をうけとり,これによって,そのサービスの原価を回収し,さらに次のサービスを継続していくという生産活動を行なっているものであります。この点については,先に出された「病院経営管理改善懇談会要旨」でも,「地方財務会計制度の改革に関する答申」でも,病院はいずれも消費経済活動を行なうものでなく,生産経済活動を行なう生産経済体だとしています。地方公共団体営の病院ももちろん,このなかに含まれるものであります。
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