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綜合病院における中央手術室の設計について
渡辺 三喜男
1
1神戸市立中央市民病院外科
pp.805-810
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201419
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いとぐち
最近手術が著しい発展を見て,20年前或は30年前には,不可能視された大手術がどんどん行われる様になつた。殊に外科部門に於てその感が深い。開胸手術や開頭手術が日常の手術となつて来た。その原因の1つは,化学療法剤の使用によつて,重大な感染を防ぎ得る様になつたことであり他の1つは,術前術後の管理を含めた麻酔の普及と進歩であろう。一方手術件数が次第に増加して来て,従来のやり方では,従事者の疲労が著しいと言う現象も見られる。
我々の病院で,病棟の増築と共に,手術室も新築されることになつたので,以上の様な新しい時代の要求に答え,限られた予算の範囲内で,最も能率が良いと思われる手術室を設計して見た。新しい手術室は,昭和32年3月に俊工し,現在まで丁度1カ年間使用し管理的な面でも色々な経験を得たので,設計の最初のプランから,俊工まで色々苦心した点を述べ,又1カ年間の経験から得た材料を反省し,手術室を新築される方々,或は改造される方々の御参考に資し度いと思う。
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