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病院診療所原價計算要綱試案の解説—醫療報酬のあり方と考え併せて
橋本 壽三男
,
加倉井 駿一
pp.37-44
発行日 1951年8月1日
Published Date 1951/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200368
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醫療の原價汁算は原價計算のうちで最も困難なものの一つであろう。然し現下の社會状勢からみて是罪なしとげなければならないものの一つであることは何人も否めないところと思う。
最も適正であるべき公的に定められた醫療報酬さえ「現にいくらかゝつているか」を知らずにその基礎を一部の人達の感に依存していることは悲しむべきことである。醫療如く深く且つ廣いものが,一般製造工業のように簡單な手段をもつて計算出來るとは考えられないし,又それ程正確であることも困難であろう。唯こゝには,誰もが一應うなづける醫療費の原價を算出することが可能であつて,これを推進強化してゆくことが社會保障制度の確立を前に目下の急務であることだけを強調したい。推進,強化のためには一人でも多くの人々に興味をもつて頂くことが何より大切である。將來この一小册子が捨石となつて醫療にふさわしい原價計算の生れる時が來るならば幸これに過ぐるものはない。
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