病院管理の具体問題
私の病院の現状,他
三宅 太朗
1
1敦賀病院
pp.22-26
発行日 1950年9月1日
Published Date 1950/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200200
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先ず最初に私の病院の現況を申上げ,現在及将来の幾多の問題を申上げて皆様の御批判,御指導を仰ぎ度いと思います。昭和24年2月1日を期して元日本医療団所属から土地の市村組合経営に移り再発足いたしました。終戦後,他の病院がアメリカ式に改変しつゝあつた当時,悲しいかな解散医療団所属のため何一つ進歩的な仕事が出来ず現状維持がやつとと云う哀れな惨状でした,市村組合立病院として再発足と同時に新時代に適合したやり方に改めねばならぬと努力して来たものの扨て何をするにも金がいり「ドツヂ・ライン」でどぢを踏むばかりです,施設買收費として200万円余,修繕費に40万円余合計250万円近くの負担をかけましたので昨年度は他に何も出来ませんでした。本年度に入り本院開設以来初めて往診用ダツトサンを購入いたしました。今度は裏の空地を埋立てて,伝染病院を新設いたします。当地の伝染病院は戦災で焼失したまゝ今日迄代用病室で一時凌ぎを続けて来ましたが再三再四の各方面からの掛声によりやつと設立の立案となりました,此処で一寸病院管理の本質的問題にふれたいと思います。伝染病院の院長を嘱託されている私は伝染病院は是非市村の責任に於て設立すべきものと主張し数年来機会ある度に催促して来ましたが漸く本年度200万円の予算で設立計画となりました。所で其の全額は起債に依らねばならぬとの事です。漸く140万円の起債が許可されたが残りの60万円は一般病院の收入から捻出せよとの事です。
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