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編集後記
編集者
pp.50
発行日 1950年2月1日
Published Date 1950/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200099
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厳塞—北の国の病院のことが偲ばれる。雪のトンネルをくゞつて通う雪国の外来患者,雪に周囲をとざされて真暗になつた病室に病を養う人達,配水管も氷つてしまう迄に働く病院の職員,急患にかけつける為に吹雪をついて出かける医師を初めとして医療従業員の活動等々吹雪の中に苦しむ傷病者とそ札と戦う献身的な人々の姿が浮んでくる。一体この人々らの不幸と努力とに同情を持つ人達がわれわれの中に何%存在するでしようか。東京にいて,今年は暖いといつていられる,いわゆる中央の人の何人がこの問題を切実にとり上げる同情と意志を持ち合せているでしようか。そういう編者も2月になつて特にこの問題に注意しなければならないことを痛感するといううかつさだ。こゝに雪国の医療問題,病院問題,病院管理の問題——それぞれの研究をとりあげその対策が老えられねばならないと思います。医療と厳塞地——一般に寒冷の土地には丈化が行渡り難い。社会保障の実施に当つてこの地方の人々の叫びを忠実に取入れなければならぬでしようし,北海道・東北・信越・北陸地方の病院協会は率先この問題を取上げなければならぬでしよう。
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何十年来問題となつておつて,いよいよ今年には解決しなければならない医療問題が山積しています。
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