特集 病院のコスト管理
巻頭言
井手 義雄
pp.629
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102017
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
バブル経済破綻後のわが国経済の低迷,また少子高齢社会への急速な移行は,戦後わが国が築き上げてきた社会保障制度の抜本的な改革を余儀なくしている.近年の経済の低迷に伴う若年層の地方都市より大都市への転出は,平成19(2007)年度以降に生じるわが国人口の減少に社会的な不安を投げ掛けている.社会保障制度をはじめとした種々の改革の断行が行われようとしている.
国民の身近な年金制度改革,また医療制度改革は最も重要な改革の一つである.昨年4 月に改定された社会保険診療報酬のマイナス改定は,医療界においては衝撃的な出来事であったが,一般国民においてはこの数年間の物価の下落また一般企業におけるリストラ等の社会的な現象より考えれば,当然のことと思われている.今後も医療制度等の改革はますます加速され,国民の医療に対する目は一段と厳しくなることを,まず医療関係者は確認すべきである.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.