--------------------
東京地方會第25回大會印象記
坂本 秀生
1
1日本醫科大學耳鼻科
pp.45-46
発行日 1954年1月20日
Published Date 1954/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201066
- 有料閲覧
- 文献概要
10月25日秋晴れの好天候にめぐまれて東京地方會第25回大會は東大法文裡第25番教室にて開催せられた。
午前第1部
午前第1部は症例の報告を一括して名越教授座長の下に開會された。先ず武藏野日赤の北川氏等は舌良性腫瘍中極めて稀なるノイリノーム3例に就て述べ,次で日醫大作道は20歳女子緑色腫の臨床所見を報じ緑色腫に就て簡單に考察した。續く中村氏の内硬腦膜炎の臨床,永倉氏の鼻惡性淋巴腫例共に臨床醫家にとつて益する所多いと思はれる。特に特發性鼻壞疸と關連して後者に對する筆者の認識を新にしてくれたのは佐藤教授の追加であつた。神尾氏等の症例は慢性副鼻腔炎を基盤として發生した上顎癌であり一應尤もとうなづける所,小川氏等の症例(上顎粘液性軟骨肉腫)にては早期完全手術が強調された。次で三邊氏等は氏の一連の研究に基いて桿菌による化膿性中耳炎及び頭蓋内合併症の治療經驗を報じた。終りに東邦醫大荻尾氏の口蓋混合腫瘍に續き日大岡野氏は原發性結核症例に就て學校衞生上の注意を喚起した。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.