Japanese
English
--------------------
Erythematöse Anetodermie von Jadassohnの1例
ON A CASE OF ERYTHEMATOUS ANETODERMIA OF JADASSOHN
相模 成一郎
1
Seiichiro SAGAMI
1
1大阪大学医学部皮膚科学
1Department of Dermatology, Osaka University School of Medicine
pp.785-791
発行日 1965年8月1日
Published Date 1965/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204146
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
1892年Jadassohn1)は23歳の女子の四肢に於ける紅斑を原発疹として萎縮斑に至る症例を経験し,その独立性を認めてAnetodermia erythe—matosaと命名した。同時代にThibierge2)も顔面に於ける円形萎縮斑を示す25歳女子の症例を記載し,これにAtrophodermie érythémateuse en plaques à progression excentriqueとしたが,爾来相次いで本症の報告が行われ,斑状萎縮症Anetodermiaの種々相が知られるようになつてきた。
Jadassohnの記載は,紅斑を原発疹として斑状皮膚萎縮を示すことが臨床的特徴であるのに対し,1884年Pellizzari3)が報告した症例では蕁麻疹様皮疹を原発疹とする点に於いて,又,1891年Schweninger等4)の症例では,認むべき初発皮疹がなくして萎縮に落ち入りその萎縮病巣部に柔軟な結節を生ずることを特徴とする点に於いて夫々Jadassohnの症例とその臨床像が異なるにもかかわらず,いろいろの検索の結果,同一のAne—todermiaの範疇に属する疾患であることが判明した。本邦に於ける本症例は既に25例が報告されており5),又,最近高田等6)もその2例を追加報告している。著者も本症の1例を経験した7)ので茲にその記載を試み,本症について些か私見を述べる。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.