Japanese
English
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新らしい凝血阻止性軟膏「デキストラン硫酸軟膏」
A NEW ANTICOAGULANT "DEXTRAN SULFATEOINTMENT"
川井 一夫
1
Kazuo KAWAI
1
1名古屋大学第一外科
1First Department of Surgery, Nagoya University School of Medicine
pp.439-442
発行日 1960年5月1日
Published Date 1960/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202818
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I.まえがき
従来,表在性血栓性静脈炎,凍瘡,下腿潰瘍,打撲後血腫等に対する治療としては,湿布,循環促進剤等の投与以外にはなんら積極的な手段がなかつたが,最近,ドイツにおいてHeparin様抗トロンビン物質を含むHirudoid軟膏が作られ,その血液凝固阻止作用,血管拡張作用,消炎鎮痛作用,線維素溶解作用等によって上述の疾患に対する新らしい治療手段となつた1)—10)。しかしこの軟膏は非常に高価であるため長期にわたって大量を使用するには不便である。
さきに当教室の佐々木らによつて完成された合成凝血阻止剤デキストラン硫酸11)12)13)は充分He-parinの代用として用い得ることが明らかにされたが14),このデキストラン硫酸を軟膏として用いることによつてHirudoid軟膏と同様の作用が得られるのではないかと考えられる。
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