Japanese
English
皮膚科図譜・78
疣状扁平苔癬
Lichen planus verrucosus s. hypertrophicus
川田 陽弘
1
1東大皮膚科
pp.856
発行日 1957年10月1日
Published Date 1957/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202058
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55歳男子。1年前より右下腿及び左手関節部に生じた。下腿の皮疹は第1図の如く,鵞卵大の,不規則な形の灰白紅色の,扁平に隆起した局面で,表面に角質増殖を示す。その周辺に小豆大の同性質の皮疹が散在,又その局面の周辺に毛嚢性の角質増殖を認める。尚経過中に両側手背に米粒大の,凹窩を有する丘疹も生じた。組織学的には第2図の如く,表皮に角質層肥厚,顆粒層肥厚,不規則な表皮増殖,基底細胞層の乱れ,之に接して真皮乳頭層,乳頭下層に小円形細胞及び細綱性細胞の帯状の浸潤を認め,典型的な扁平苔癬の組織像を示す。マフアルゾールの注射により軽快に向いつゝある。
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