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新産児浮腫性皮膚硬化症の1例
橋爪 健二
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1和歌山県立医科大学皮膚科泌尿器科教室
pp.697-699
発行日 1956年10月1日
Published Date 1956/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201783
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緒言
新産児皮膚硬化症(Sclerema neonatorum)は1718年,Umberiusに依り始めて記載された疾患であつて,その後,Parrot,Clementowskyに依り脂肪性硬化症(Sclerema adiposum)と浮腫性硬化症(Sclerema oedematosum)とに区別されたものである。此の浮腫性硬化症は比較的稀有の疾患であつて,本邦に於いては現在まで20数例の記載があるに過ぎず而も最近ではその報告例は非常に減少している。その本態は尚不明であるが一般にに生後数日の新生児,特に早産児又は生活力薄弱児,先天梅毒の患児に見られるもので寒冷の候に多く見られる。症状としては皮膚の特有な鞏硬性浮腫と体温の下降を表わし,多くは不幸の転帰をとるものである。最近吾々は生後47日の7ヵ月の早産児に於いて本病と思われる例を得たので此処に報告する。
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