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尿道周囲膿瘍より尿瘻を形成せる巨大なる尿道結石症の1例
今北 力
1
,
馬場 正次
1
,
林 威三雄
1
1大阪大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.213-216
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201400
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尿道に結石を見る事は必ずしも稀ではないが,その大部分は続発性のものであり原発性のものを見る事は甚だ稀である。最近我々は一見両側性副睾丸結核を疑わしめる症状を呈する患者に遭遇し手術の結果,巨大なる尿道結石による尿道周囲膿瘍の陰嚢に破れて瘻孔形成せるものを経験した。
尿道結石が細菌感染の結果,尿道周囲膿膓を作り更に進んで尿瘻形成に至る事のあるは成書の明らかに記載する所である。然し乍ら斯るこ二次的変化は多く尿道憩室結石に於て,見られる所であり尿道憩室結石そのものが稀有なる為か,文献上尿道結石より続発的に且つ自発的に発現せる尿道周囲膿瘍就中尿瘻形成は其報告例は極めて稀である。
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