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色素性紫斑性苔癬状皮膚炎の1例
倉持 正雄
1,2
,
林 敏雄
,
荒井 秀雄
1慶應義塾大學醫學部皮泌科教室
2立川病院皮泌科
pp.151-154
発行日 1954年3月1日
Published Date 1954/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201166
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緒論
Gougerout 及 Biumは1925年,輕度の掻痒を有する發疹を下肢に認めし症例を觀察し,之をフランス皮膚科學會に發表,次で同様の症状を呈せる3症例に就て精密なる報告を爲し,之に色素性紫斑性苔癬状皮膚炎Dermatite lichenoide pig-mentee et purpurjqueの名稱をつけた。既にそれ以前1901年にSchambergはA peculiar preg-ressiv Pigmentary Disease of the Skinの命題のもとに,所謂Schamberg's Diseaseを發表している。Schamberg's Diseaseと毛細血管擴張性環状紫斑の記述はその發表以來内外に比較的多くの報告があるが,色素性紫斑性苔癬状皮膚炎に就ての發表は,外國文献にてはGougerout及Blumの發表せるもの以外に,主なるものとしては,Wise Wolf,Mickelson Layman,の報告があり,Andrewsが始めて成書に記載せるのみにて比較的少い。本邦に於ては范が特異なる紫斑性皮膚異常症のもとに發表しているに過ぎない。
最近余等は臨床的に同症と確信せる1例を經驗し得たので報告する。
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