特集 電子カルテとベッドサイドの壁を打ち破る!—患者情報の「言語化」への挑戦
扉
増井 伸高
1
1札幌東徳洲会病院救急科
pp.1224-1225
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429205054
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
ここに、研修医がひとしきりカルテ記載をした症例がある。しかし診断はついていない。上級医に相談すると、カルテを見て「〇〇病かな…」とつぶやいた。「電子カルテ」のどこを見て、そう判断したのだろう?
上級医は、いぶかしげな研修医を患者のもとへ連れ出すと、病歴と身体所見を丁寧にとり、「〇〇病ですね」と患者さんに説明を始めた。上級医は「ベッドサイド」で何を見つけたのだろう?
その後、上級医と研修医は電子カルテの前に戻ってきた。上級医はつぶやく、「うーん、なんてカルテに書こうかな…」。やや困り顔の上級医だが、どうタイピングするのだろう?
ベッドサイドの患者情報をすべて言語化し、電子カルテに記載することはできない。その間には見えざる「壁」があり、一部の情報が言語として移動すること邪魔している。本特集では、この「壁」をシームレスに行き来している達人医師に筆を振るってもらう。彼らが「電子カルテ」と「ベッドサイド」の間で情報や言葉をどう往来させているのか、その秘技を伝授する。読者は、それを真似して「電子カルテを見たい、書きたい」、さらには「ベッドサイドに行きたい!」、そんな衝動を抑えられなくなるに違いない。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.