特集 “血が出た!”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ!
扉
坂本 壮
1
1総合病院 国保旭中央病院 救急救命科
pp.1468-1469
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203494
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人は身体のあらゆる所から血が出る生き物である。よって怪我や疾病で出血した時、医療的処置が必要となる。臨床現場では、圧迫止血ができない、そこまで手が届かない(止血ができない環境にある)場合には、専門的処置が必要となる。また、圧迫止血ができる部位であっても、時として止血しきれない場合もある。高齢者は抗血栓薬を内服していることも多く、それゆえ処置をいつ行うべきか、今後の薬剤の使用はどうするべきか、その判断は決して容易ではない。たとえばDOACを内服している心房細動患者が鼻出血を主訴に来院し、圧迫止血ではなかなか止まらない時にどのようにマネジメントをするかなどは、臨床医にとって意外と難しいものだ。
本特集では「血が出た!」ときにどうアプローチすべきか、どう判断すべきか、ケースをもとにわかりやすくまとめてみた。本特集は3部構成である。【第1章】では、典型的な出血症例ながら実際の現場では悩み、また判断を誤りがちなケースを提示し、より早期に適切な介入ができるようになることを目標とする。そして【第2章】では、近年処方数が非常に多い抗血栓薬の一般的事項から頻度の高い消化管出血や外傷時の内服薬の管理、そして多くの情報が集まりつつあるトラネキサム酸、輸血について解説する。さらに【第3章】では、そもそも出血を起こさせないために日頃から意識すべきことは何か、整理してみた。
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