書評
クリニカルエビデンス・コンサイス issue16 日本語版
山口 直人
1
1東京女子医科大学・衛生学公衆衛生学(二)
pp.189
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100034
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このたび『クリニカルエビデンス・コンサイスissue16 日本語版』が医学書院から出版されたことは,わが国で医療に携わる全員にとって大きな喜びである.まずは,ご苦労なさった葛西龍樹教授はじめ翻訳に携わった皆様,出版社の皆様に謝意を表したい.Clinical Evidenceは英国医師会出版部(BMJ Publishing Group)が総力を挙げて作り出したEBMバイブルの1つである.その日本語版は葛西教授が中心となっての献身的な努力で2001年に原書第4版の日本語訳が出版され,2002年に第6版,2004年には第9版が出版されたことは周知のとおりだが,その後,諸般の事情で出版が途絶えていたものである.今回,第16版の日本語版が装いも新たに出版されたことは,わが国の医療界にとって大きな福音であると言っても過言ではないであろう.
Clinical Evidenceを利用する医師数は世界で100万人を超えていると言われ,現在,7か国語への翻訳が実施されている.多くの国では医師会員や医学生に無償配付するなどの措置が執られており,さらに,世界保健機関の協力によって発展途上国ではオンライン版が無償提供されていると聞く.このように,Clinical Evidenceは世界中の医療にとって,質向上のドライビングフォースとなっていることは明らかであり,わが国の医師・医療者が日本語で利用できることの意義は計り知れず大きいと言える.
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