--------------------
編集後記
下瀬川 徹
pp.636
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100639
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今から10年ほど前,ヒトの膵臓の外分泌機能を患者さんに苦痛を与えずに正確に測定できないか検討したことがある.それまで最も信頼されていた外分泌検査法は十二指腸ゾンデ法であり,患者さんにとっては苦痛の大きい,手間と時間がかる割に,客観性も今ひとつな検査法であった.そこで目を付けたのがPETである.消化酵素を作るため膵臓は生体内で最も蛋白合成が盛んな臓器である.11Cでメチオニンをラベルし,膵での取り込みを経時的にPET画像から定量し,同時に採取した十二指腸液の膵液成分と比較した.
当時,PET装置は全国的にも限られた箇所にしかなく,ポジトロン核種のラベルも特殊な技術だった.この領域では先端を行っていた秋田脳研を訪れ,何とか共同研究にこぎつけた.まだ,盛岡と秋田間の高速道路が開通しておらず,仙台と秋田を車で片道4時間かけて何度も往復した.今回,大月論文で引用して頂いており,懐かしく思い出した.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.