Japanese
English
原著
多発性神経炎,内分泌異常を伴った全身皮膚色素沈着(いわゆる高月病)
Hyperpigmentation in a Patient with Polyneuropathy and Endocrine Disorders (So-called Takatsuki Disease)
野村 和夫
1
,
松木 哲文
1
,
小川 俊一
1
,
大道寺 七兵衛
2
Kazuo NOMURA
1
,
Tetsufumi MATSUKI
1
,
Shunichi OGAWA
1
,
Shichibe DAIDOHJI
2
1山形県立中央病院皮膚科
2山形県立中央病院内科
1Division of Dermatology, Yamagata Prefectural Central Hospital
2Division of Medicine, Yamagata Prefectural Central Hospital
pp.823-827
発行日 1983年9月1日
Published Date 1983/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202910
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近年,色素異常,内分泌異常,多発性神経炎などを呈する症候群が注目されており,その本態はplasma cell dyscrasiaと考えられているものの未だ不明の点が多い.今回著者らは本症と考えられた1例を報告し,本症における皮膚症状は間接的デルマドロームであり,十分な診断的意義を有するものであることを強調した.
症例は63歳,男.初診1年半前より全身びまん性に褐色の色素沈着出現.特に乳暈で著明であり,また口腔内,手掌皺にもみられる.爪蒼白,下肢にいわゆる剛毛,躯幹に血管腫様病変もみられ,また,るいそう著明で腹水も伴っている.同時に多発性神経炎,エストロゲン上昇などの内分泌異常を認める.ステロイドおよびエンドキサン投与により,全身状態は著しく改善,それにつれて色素沈着,爪蒼白などの軽快をみた.
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