Japanese
English
原著
線状苔癬について
FORTY-FOUR CASES OF LICHEN STRIATUS
露木 重明
1
,
伊藤 文子
1
Shigeaki TSUYUKI
1
,
Fumiko ITO
1
1関東逓信病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kanto Communication Hospital
pp.493-499
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201158
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1.昭和40年1月より47年6月までの8年6カ月間の経験例44例の検討結果を報告した.
2.原発疹はlichenoidの丘疹で,多角形ないし円形,中心臍窩なく,時に鱗屑を有し,融合傾向あり,苔癬化局面を作る.局面は多くは線状配列をとる.一般に片側性である.
3.自覚症は欠如するのが普通である.
4.好発部位は上肢で過半数を占め,下肢がこれに次ぎ,躯幹,顔面,頸部にも発生する.
5.発症年齢は5歳を頂点とし,10歳以下に集中し,最低年齢9カ月,最高年齢19歳であつた.
6.性別比は20対24で男女ほぼ同数であつた.
7.本症は突如として発症し,数週間から年余に亙る経過をとる.自然治癒が期待出来る疾患であり,外用療法の効果は判定し難い.
8.組織学的には本症に特異的な所見はなく,診断の補助的手段としての意味をもつにすぎない.
9.臨床的,組織学的に,特にLichen planusとの鑑別なかんずく両者の類似性,異同について,さらに充分な検討の余地があろう.
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