Japanese
English
原著
基底細胞腫と思われる病変と孤立性毛包上皮腫の併発例
Simultaneous occurrence of solitary trichoepithelioma and the lesion suggestive of basal cell carcinoma
木村 俊次
1
,
稲積 豊子
1
,
江守 裕一
1
Shunji KIMURA
1
,
Toyoko INAZUMI
1
,
Yuh-ichi EMORI
1
1国家公務員共済組合連合立川病院皮膚科
1Division of Dermatology,Kyosai Tachikawa Hospital
キーワード:
孤立性毛包上皮腫
,
基底細胞腫
,
trichoblastic carcinoma
,
trichoblastoma
Keyword:
孤立性毛包上皮腫
,
基底細胞腫
,
trichoblastic carcinoma
,
trichoblastoma
pp.558-562
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101262
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46歳,家婦.約1年前から右鼻背に孤立性毛包上皮腫(TE)が3個の丘疹として,また右鼻翼から上口唇にかけて基底細胞腫(B)と思われる病変が局面状皮疹として生じた.局面状皮疹は臨床的に丘疹が融合したように見え,小黒点や小潰瘍を伴い,境界がやや不明瞭であった.組織学的には左右対称性を欠き,胞巣が大小不同で密に存在すること,間質との関係がTEとは異なること,また,より好酸性で篩状やシダの葉状構造を呈する胞巣と,より好塩基性で充実性の胞巣から成り,PAS陽性基底膜は前者のみ陽性,bcl-2染色では前者は胞巣辺縁の一層のみ,後者は胞巣全体がびまん性に陽性を示したこと,などから局面状皮疹はBであって,かつTEからの移行ないしTEへの分化を示すものと考えた.TEとB,さらにtrichoblastomaとの関連について若干の考察を加えた.
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