特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の新しい器械,器具
Ⅱ.画像機器
1.3D-CT 3)頭頸部領域(口腔,咽頭,喉頭,頸部)
酒井 修
1
,
藤田 晃史
1
,
中鳴 紀子
1,2
,
岡本 静子
1
1自治医科大学放射線医学教室
2栃木県県南総合病院放射線科
pp.41-48
発行日 2001年4月30日
Published Date 2001/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902346
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はじめに
通常,CTは横断像あるいは冠状断像を撮像し,その画像を診断に用いているが,これらの原画像を基に,三次元(3D)画像を作成することが可能である。1990年代初期のヘリカルCTの臨床導入により,短時間で連続データを得ることが可能となり,高画質の3D画像が比較的容易に作成できるようになった1〜3)。以来,3D画像が日常診療でより多く用いられるようになり,大きなインパクトを与えた。ごく最近,臨床導入されたマルチスライス(multisliceあるいはmultidetector-row)CTでは,同時に4枚のスライスの撮像が可能となった4,5)。スキャン時間は0.5〜0.75秒,最小スライス厚は0.5mmとなり,CT検査の高速化,縦軸分解能の向上は一段と進み,短時間で高縦(Z)軸分解能をもつボリュームデータが得られ,極めて高画質,高分解能の再構成画像が作成できるようになった。マルチスライスCTの出現は“CTは横断像”といったこれまでの“常識”を大きく変え,CTの新たな撮像方法ということだけではなく,画像診断の中でのCTの位置づけを大きく変えていく可能性がある。
本稿では頭頸部領域での3D-CTの使用方法,変更可能なパラメーターとそれに伴う画像の変化,診断における留意点について述べる。撮像方法は個々のCT装置により使用可能な条件が大きく異なり,至適条件が変わってくるが,本稿では多くのヘリカルCTで可能な撮像方法を中心に述べる。
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