特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に
各論
1.聴力とめまい 4)良性発作性頭位めまい症
肥塚 泉
1
1聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科
pp.91-97
発行日 2007年4月30日
Published Date 2007/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101086
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Ⅰ はじめに
良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo:BPPV)は,特定の頭位変化をさせたときに回転性めまいが誘発され,回旋成分の強い特徴的な眼振を認める代表的な末しょう性めまい疾患である。現在,理学療法の一種であるcanalith repositioning procedure(以下,CRPと略す)が,本疾患に対する治療法として広く普及している。後半規管型に対してはEpley1)によって報告されたcanalith repositioning maneuver,Semontら2)によって報告されたliberatory maneuver,Parnesら3)によって報告されたparticle repositioning maneuverなどがある。外側半規管型に対してはLempert法4)がある。CRPの有効性については諸家によりさまざまな報告がなされているが,おおむね良好とするものが多い。近年,これらCRPに対して抵抗性を示したり,再発を繰り返したりするいわゆるBPPV難治例と呼ばれる症例が存在すること,またCRPを施行すること自体が困難な症例に対する対応が問題となっている。本稿では,これら取り扱いに工夫を要するBPPV症例に対してわれわれが行っている対処法について紹介する。
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