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わざわざ暮しやすい日本を離れて,言葉の通じない諸外国へ留学する理由は人によって様々です。しかし,研究に専念してよい仕事をしてみたい,というのは共通した気持ちでしょう。研究が一段落すれば,それを学術雑誌に発表してみたい,というのは研究者にとって自然な感情であるだけではなく,自らの研究の真価を他に問う機会です。
そこで学術雑誌ですが,これがまたあきれる程たくさんあります。Bascom Palmer Eye Instituteの眼科図書室は非常に充実していて,邦文誌だけでも「臨床眼科」,「日本眼科学会雑誌」,「日本眼科紀要」の3誌が常置され,さらに「Jpn J Ophthalmol」もあります。日本のみならず中近東からインド・アジアに至るまで眼科学に関する雑誌であれば,世界中から取り寄せられています。これだけ多くの雑誌があると,自分の研究を発表する場として雑誌のランクがどんなものかという疑問が生じます。それに対するひとつの解答として,impact factorなるものが一部の研究者の間で知られています。Impact factorとは簡単にいうと,ある雑誌(ただし邦文誌は原則として対象外)の掲載論文1編あたりの平均引用回数として計算されます。ちなみに現時点でもっとも権威のある基礎研究領域の雑誌である「Cell」は30点台で,「Nature」,「Science」が20点台というところです。眼科領域の英文誌では,基礎研究系として「Invest Ophthalmol Vis Sci」と「Exp Eye Res」,臨床系では「Am J Ophthalmol」,「Arch Ophthalmol」,「Ophthalmology」が権威のある雑誌であるとみなされていますが,これらのimpactfactorは確かに高いようです(表1)。
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