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讀書寸感
中村 康
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1日醫大
pp.94-95
発行日 1954年1月15日
Published Date 1954/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201734
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1) Das Auge als Subject (Fretz Rosler氏著)(Das Wahrnhemungs bild unc ihre Prufung)177頁1947年版3000圓.
Moudrich書律の出版で大層面白い本である。束状光線に對する見え方を研究したもので眼の光學的誤りを調べたものである。著者は先づ眼を物理光學的に觀察し,次で生理光學的に調査したと言う。曚輪を主體とし,曚像を考慮に入れて論述している。第1章は認識像と其構造を説き及んでいるが,圖が多く,殊に色圖を用いてあるので,理解に便である。第2章はコバルトランプを用いての見え方の研究である。黄斑視の檢査,色覺の檢査を初めとして,屈折異常の檢査にコバルトランプが利用されている。此は私の眼鏡學でも述べた處である。次には近距離視の事が述べてあり,調應に伴う見え方の變化から,近距離視レンズの決定,眼精疲勞,斜位の事に及び調節痙攣に基く見え方の變化,近距離の時の亂視の度及び軸の移動,近距離視に伴う眼廻轉等を記している。最後に中心外視.非相稱視,多視症,圓錐角膜の場合の光束の見え方を論じたものである。日常私共が普通と考えている光學的誤りを,色々所作を加えて一層明瞭にして,之に解釋を加えたものである。生理光學を學ばんとする人は一度目を通してみるとよい本である。
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