特集 眼感染症診療ガイド
III.検査・治療の基礎知識
ニューキノロン系抗菌薬の使い方
福田 正道
1
1金沢医科大学眼科学教室
pp.298-303
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101478
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はじめに
1963年に開発されたナリジクス酸(nalidixic acid:NA)はキノロン系抗菌薬の起源であり,その後,キノロン環骨格にフッ素を導入したノルフロキサシン(norfloxacin:NFLX)が開発され,緑膿菌をはじめグラム陽性菌にまで抗菌域を広げ,強い抗菌力を示した。NFLX以降に臨床応用されてたキノロン系抗菌薬は,その広い抗菌域と強い抗菌性から,以前のものと区別されニューキノロン系抗菌薬と呼ばれている。ニューキノロン系抗菌薬(フルオロキノロン系)は現在までにノルフロキサシン,オフロキサシン(ofloxacin:OFLX),エノキサシン(enoxacin:ENX),シプロフロキサシン(ciprofloxacin:CPFX),ロメフロキサシン(lomefloxacin:LFLX),トスフロキサシン(tosufloxacin:TFLX),スパルフロキサシン(sparfloxacin:SPFX),フレロキサシン(fleroxacin:FLRX),レボフロキサシン(levofloxacin:LVFX),ガチフロキサシン(gatifloxacin:GFLX),プルリフロキサシン(prulifloxacin:PUFX)などが経口剤として開発されている。現在臨床治験中の抗菌薬もあり,今後はさらに増える傾向にある。CPFLなどは注射剤として初めて臨床応用されている。点眼薬としてはOFLX,NFLX,LFLX,LVFX,CPFX(国外)の5種類の点眼薬がすでに臨床に用いられているが,新たに数種点眼薬の臨床治験が進行している。また眼軟膏剤としてはOFLX眼軟膏剤が臨床で広く使用されている。
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