今月の臨床 女性内科的アプローチ—循環器系を中心に
女性と高脂血症
3.高脂血症の種類と検査
若槻 明彦
1
1高知医科大学産婦人科
pp.24-28
発行日 2002年1月10日
Published Date 2002/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904515
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
血中コレステロール濃度の上昇は,冠動脈疾患の発症や死亡率を上昇させるとの疫学的成績が報告されており1),血中コレステロールの蓄積が冠動脈疾患の発症に密接に関与することは明らかである.Framingham Studyによると2),心血管系疾患による死亡率は50歳以前では男性が女性の3〜4倍高率であるのに対し,50歳を過ぎると女性の頻度が急増し,70歳代で男女ほぼ同率になる.これは,閉経後のエストロゲン濃度の低下が血中コレステロールや中性脂肪(TG)の上昇など脂質代謝異常を惹起することが大きな要因と考えられており,女性の場合はエストロゲン濃度の減少とともに脂質代謝動態が大きく変化する.この項では高脂血症の検査,診断,種類について述べ,女性の高脂血症の頻度や管理方法についても概説する.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.