合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用
扉
水沼 英樹
1
1福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター
pp.5
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208924
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性ステロイドホルモンは性腺で産生されるステロイドホルモンの総称で,エストロゲン,プロゲステロン,アンドロゲンがその主体をなす.性ステロイドホルモンの発見は1930年代に遡るが,その発見以来,現在では多くの性ステロイド活性を有する物質が合成され,産婦人科の臨床の現場においてなくてはならない薬物の一つとなっている.瞠目すべきは,その生理活性が身体構造の構成や代謝機能においても多彩でかつ重要な意義をもつことであり,性ステロイドホルモンの応用範囲は思春期から老年期に至るまで,あらゆる年齢層の女性において広く使用されるようになった.
本特集では基礎編として,ニューロステロイドと性ステロイドホルモン受容体のゲノム解析を取り上げた.ニューロステロイドは中枢神経細胞自身が産生するステロイドホルモンで1980年代にその存在が確認されたステロイドホルモンであるが,記憶や情動,さらには神経細胞の保護作用など多彩な生理機能をもつことが知られるようになった物質である.また,ステロイドホルモン受容体のゲノムワイド解析が進められており,これは性ホルモン応答性疾患に対する新しい治療薬の開発に繋がる研究として期待されている.
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