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Kranke (16)
Y. A.
pp.762
発行日 1964年10月10日
Published Date 1964/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203135
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午前1時,患者の見廻りを一通りすませた看護婦Kさんは,重症患者もいない今日の深夜勤,安静のうちにすぎるような予感がして,幾分緊張のほぐれるのを感じた。それから小1時間,そこだけか明るい看護婦室の中でこKさんの影法師は,あつちゆらり,こちらへゆらり,短かくなつたり長くなつたり,静寂の中に動いていた。
午前2時,電話だ。深夜になりひびく電話のベルは,何となく無気味である。
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