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第16回日本産婦人科学会総会開かる
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pp.401
発行日 1964年5月10日
Published Date 1964/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203048
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* 今年で16回目の日産婦学会総会(会長・日本医大真柄正直教授)が,3月25,26,27日の3日間にわたつて,東京大手町サンケイホールで開催された。本会場が,使用されるのは,今回が三度目である。第8回総会には前長谷川東大教授が,第13回総会は,慈恵大樋口教授が,会長で開催されたゆかりの場所である。第8回総会開催時には,新築そうそうであつた同館であつたが,8年の歳月は,静かな落着きをみせてくれる。又その間の学問の推移はいかばかりであろうか。ふだんの多くは,軽音楽にラテンに,演劇に,使用される,このサンケイホールも,この3日間は,厳粛にならざるを得なかつたろう。
* 今度の総会の特徴としては,真柄会長の言葉にもあつたように,実地臨床に即した学会内の各種委員会による,絨毛性腫瘍,新生児,子宮癌,妊娠栄養,内分泌のシンポジウムと主題特別講演,さらに臨床特別講演があつたことである。深く問題をしぼつて研究した演題は,それに直接従事した者か,その方面に特別興味があるごく限られた者に限られてしまい,同じ産婦人科医でありながら,大多数の者は門外漢にならざるをえない。これは,学問の総合化,専門化による発展とは,うらはらにすぎる,ジレンマである。このジレンマからの脱却,つまり各専門分野間の断層をなくし,産婦人科医としての共通の広場で学問の進歩を享受する所は,なんといつても学会総会である。
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