性教育 医療界と教育界のスクラムを! 第30回日本産婦人科医会性教育指導セミナー全国大会 シンポジウムより抜粋
開催に当たって
石渡 千恵子
1,2
1茨城県産婦人科医会
2茨城県教育委員会
pp.318-319
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101698
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1999年(平成11年)に茨城県教育委員会委員になってから,性に関する現状認識において,教育関係者とわれわれ医療関係者,特に産婦人科医との間に大きな差があることに気付いた.当時の教育庁の幹部職員の方々は,児童生徒の性の現状に対する理解が十分とはいえず,あまり問題意識がないように思われた.とにかく,茨城の性の現状について実態を把握し対策を講じるべきと考え,2002年(平成14年)に和田由香先生をお招きして,教育庁幹部職員の方々に児童生徒の性の現状についてご講演をいただいた.その後も,産婦人科における実態などを説明し,教育庁の方々にもご理解をいただき,ようやく2003年(平成15年)11月から12月にかけて茨城県立の全日制高校全111校2年生各1クラス,3,861名を対象に性に関する調査を実施することができた.
その後,茨城県では,県立高校において平成17年度から外部講師による性に関する講演を3年に1回,19年度からは,思いやる心を育む性教育推進事業として,1年に1回,公費で実施することになった.茨城県産婦人科医会も講師養成に努め,小中高各学校よりの要請に応えるべく努力中である.しかし,その実施に当たっては学校側と産婦人科医側の考え方にかなりの差があり,必ずしもお互いの理解が十分とはいえないのが現状である.
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