症例検討会 骨・軟部腫瘍8例—日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍研究会
〔症例3〕20歳女性坐骨骨腫瘍
中瀬 猛
1
,
白井 康正
1
,
石坂 公人
1
,
石原 正博
1
,
馬杉 洋三
2
,
前田 昭太郎
3
,
金子 仁
4
1日本医科大学整形外科
2日本医科大学病理
3日本医科大学多摩永山病院病理
4日本医科大学老人病研究所
pp.316-318
発行日 1987年3月25日
Published Date 1987/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907577
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症例:20歳女性
経過:昭和60年4月頃から右股関節痛を生じ,7月13日来院,右坐骨腫瘍の診断で入院した.X線では右坐骨結節部から臼蓋部にかけて骨吸収像を認め,CTスキャンで同部に充実性の腫瘍像を示した(図3-1).骨シンチグラムで異常集積像を示した.血液所見では軽度の貧血と血沈の上昇以外特に異常を示さなかった.術前診断としては骨巨細胞腫を疑い,9月5日に腫瘍切除術及び臼蓋部への骨移植術を施行した.切除標本で悪性所見が認められたので,化学療法,放射線療法を施行したが,術後2ヵ月で局所再発し,以後貧血,腎機能低下等全身状態の悪化を示して昭和61年6月29日死亡した.
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