整骨放談
総入歯の落し話
青池 勇雄
1
1東京医科歯科大学
pp.88
発行日 1982年1月25日
Published Date 1982/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906476
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入歯のうちでも,自分の歯が一本でも残っていれば,これが支えとなって,入歯の緩るみがおこりにくいが,総入歯となると支えがないので,ガタガタして,よろしくない.
歯の丈夫さと寿命とが大体平行するらしく,90歳過ぎでは総入歯は当然のように思うが,80歳代の元気な人には総入歯は少ないようである.だから歯は普段から大切にして,なるべく抜歯などしないようにと皆んなに推めている.私のように50歳そこそこで,上,下とも総入歯にしたなどは長寿の資格を放棄したようなものである.上の方の入歯は何とか上顎に具合よくへばり着いているが,下の力は適合は悪くて,長時間はめておくと直ぐ潰瘍をつくるので,食事にのみはめて,終ると直ちにはずして,ポケットに仕まい込むことにしている.
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