整骨放談
Hardy Country
宮崎 淳弘
1
1鹿児島大学
pp.94
発行日 1980年1月25日
Published Date 1980/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906060
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Percy J. Barnettの家はEnglish Channelを眼下に見る丘の斜面にある.Waterloo駅から3時間半,Axminsterから車で10分の海辺で,向うに続く断崖には,鴎が群れ,庭に舞い下りる.七高2年の秋,英極東艦隊空母Eagleとホッケーの試合をした時,笛を吹いたのがRoyal Air ForceのSquadron Leaderの彼であつた.以後1940年,独英戦争初期まで文通が続いた.
1968年,欧米旅行に当り,先ず行つて見たかつたのがP. J. Barnettの家と,Hardyの小説,TessがAlec D'urbervillesを刺してAngel Clareと逃げ,警官に捕まる夜を過したStonehenge,またその小説の出だし,坂を下る牛乳馬車の車輪が外れ,父親が怪俄をした道.Egdon heathの地平線から足の悪い男の影が近づいてくる,素晴らしい描写で始まる,"The Return of the Native"の土地,また"Jude the Obscure"に描れたJudeが,少年時代鳥の番をしながら,鳴子の綱を引くのを止めた,Dorchester(小説ではCasterbridge)の麦畑等であつた.
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