カンファレンス
四肢腫瘍—これはなんでしょう(22)
古屋 光太郎
1
,
骨腫瘍症例検討会
1東医歯大整形
pp.658-661
発行日 1973年8月25日
Published Date 1973/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904872
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24歳男性の左踵の痛み
A 患者は24歳の男性で,主訴は左踵の疼痛です.昭和47年5月末頃から左踵に疼痛があつただけで,特に歩行時痛はなく,放置していたのですが9月20日に某医でアキレス腱炎と診断され薬とか,電気治療を行なつていましたが,症状変らず,そこでレントゲンを撮りましたところ,calcancusに何か孔があいており,骨髄炎の疑いがあるといわれて当科に紹介され11月7日受診しました.
左踵を診ますと別に大して腫れているようなところもなく,内側の方にちょっと圧痛があるという程度でした.運動制限はありません.レントゲン写真をみますとcalcancusのうしろの方に,直径3cm程のほぼ丸い透明巣があり,一部骨皮質を破壊しているようにも見えます.両方の踵骨を比べてみると,僅かに骨膨隆があるかなあという程度です.この薄いようにみえるところも,叩いても押してもあまり痛みはないのです.angiographyはどうもあまり入りがよくないのですが,やはり中に造影剤が少し入つているような状態の影がございます.穿刺しますと,血液が20ccくらい出ました.
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