臨床経験
多発性神経鞘腫の1剖検例
詫摩 博信
1
,
西川 英樹
1
,
落合 勲
1
,
浅野 伍朗
2
Hironobu TAKUMA
1
1日本医科大学整形外科学教室
2日本医科大学病理学教室
pp.646-652
発行日 1970年8月25日
Published Date 1970/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904444
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緒言
脊髄腫瘍の報告は毎年増加の一途をたどり,ことに神経鞘腫についての報告は非常に多数にのぼり,決して珍しいものではないが,多発性神経鞘腫の報告例は最近10年間ではみられない.最近われわれは頸髄部の腫瘍摘出手術により神経鞘腫と診断されて以来,10年の経過をたどり,その間に可能な限りの治療を数ヵ所の大病院で受けたにもかかわらず死亡し,その剖検により神経鞘腫が,脊髄の上部より馬尾に至るまでほぼ全域にわたつて,おびただしく発生しているとともに,小脳橋角部と左右の聴神経にもほぼ対称性に発生をみた症例を経験したので報告する.
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