臨床経験
頸部に発生した神経鞘腫(Neurinom)2治験例
田中 晴人
1
,
手束 昭胤
1
Haruhito TANAKA
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.463-468
発行日 1969年6月25日
Published Date 1969/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904089
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本邦における脊髄腫瘍の報告例はすでに約500症例にものぼり,毎年その報告例は増加の一途をたどつているのが現状である.そのなかで,頸部発生での神経鞘腫の占める割合は467例中38例で,その頻度は,8.1%で比較的少ないとされている.われわれはここに神経鞘腫の2例を経験したので報告するが,その中の1例は比較的早期に来院して手術が施行でき,その予後は極めて良好であつたが,残る1例は患者が早期に来院し,診断が確定できたにも拘らず,観血的治療を忌避したため手術の時期がかなり遅れ,前者の症例よりも術後も軽度の知覚障害を残した.
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