統計学/整形外科医が知っておきたい
4.診断能力の評価―感度・特異度のジレンマ
小柳 貴裕
1
1東京歯科大学市川総合病院整形外科
pp.735-741
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903572
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◆示標としての感度と特異度
診断のための検査の精度には2つの側面がある.第一に,その検査が真に疾患のある患者を陽性とできるか(病人の陽性度)の評価基準は感度(sensitivity)と呼ばれる.感度が高い検査は偽陰性,すなわち見逃しが少ない.第二に,真に疾患のない患者を陰性にできるか(健康人の陰性度)の物差しが特異度(spcificity)である.特異度の高い検査は偽陽性が少ない,すなわち見過ぎが少ない.
これらの示標は,整形外科領域では主に画像診断能力の定性的評価に用いられてきた.肩腱板断裂における超音波診断法と実際の手術結果,半月板損傷におけるMRI診断と関節鏡による確認,などである.
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