整形外科英語ア・ラ・カルト・93
整形外科分野で使われる用語・その55
木村 專太郎
1
Sentaro Kimura
1
1那珂川病院
pp.1378-1379
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903137
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●spondylitis(スポンディライティス)
これはご存知のように脊椎炎である.脊椎はギリシャ語で“spondylos”であり,ラテン語は“vertebra”(ヴァーテブラ)である.病名や症状名の横文字は伝統的にギリシャ語を用い,解剖名はラテン語を用いる.そのため,脊椎炎は“spondylitis”となる.しかし,整形外科雑誌には,“vertebritis”を用いた文献もときどき見ることがあるという.このような誤用は一般外科の分野でも見られる.
例えば,虫垂炎の炎症がひどく,盲腸にも炎症が波及しているとき,この徴候を盲腸炎という.盲腸は“cecum”(スィーカム)であるから,“cecitis”(スィカィティス)でよいという人もある.また,権威あるドーランド(Dorland)の医学用語辞典にも,この“cecitis”が記述されている.ところが,盲腸のギリシャ語は,英語読みで“typhlon”(ティフロン)であり,盲腸炎は“typhlitis”(ティフライティス)である.
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