視座
最近の学会,研究会で感じること
冨士川 恭輔
1
1防衛医科大学校整形外科学講座
pp.547
発行日 1997年5月25日
Published Date 1997/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902164
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日本の整形外科学は,近年著しい進歩と発展を遂げ,整形外科学会の会員数からいえば,世界でもトップクラスと思われます.日本整形外科学会の各学術集会には毎年数多くの演題が応募され,会長及びプログラム委員はその採否に頭を悩ませることも少なくありません.また学術集会では,外国から著名な研究者を招待し,講演して頂くのが恒例となっていますが,その選択には十分吟味する必要があり,単に著名というだけでは,講演の内容に新鮮味がなく,参加者の満足を得るのが容易ではないことも最近は少なくありません.
一方,色々な学会や研究会が目まぐるしく増設され,研究発表の数も鰻上りの感があります.発表の機会が増えると,優れた発表がある反面,中には推敲が足りないもの,十分な追跡期間がないにも拘らず術後成績を云々するもの,新知見が全く見られず古くから教科書に記載されている事実が結論になっているものなども増加しています.同じ内容の発表が場所を変えて,まるでジャケットを着変えるように繰り返し行われることもあります.
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