増大号特集 できる整形外科医になる! 臨床力UP,整形外科診療のコツとエッセンス
2章 治療
スペシャリストからのメッセージ
手外科・マイクロサージャリーの道をお勧めする理由
池田 和夫
1
Kazuo IKEDA
1
1金沢医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kanazawa Medical Center
pp.646-647
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202666
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●顕微鏡でみる世界は明るく,美しい
私は1984年に金沢大学を卒業し整形外科に入局しました.当時は,どの道に進むかは教授が決めるのが習わしで「池田君は手の外科班に入って,末梢神経の研究をしたまえ」「はは〜」といった感じでした.もともとは漠然と人工関節をやりたいな,と考えていたのですが,手の外科の道に導かれていきました.その頃は指の切断症例が多く,週に2〜3本は再接着術がありました.もちろん大変でしたが,最初からこれでしたから,こんなものだと疑う気持ちも起きませんでした.今では,働き方改革に抵触するような生活であり,もう二度とできないような生活でした.でも,この時に顕微鏡でみる世界が明るく美しいことに感動し,頑張っていこうと思えたのです.研修医の皆さんも,ぜひとも手術用顕微鏡で,金色に光り輝く脂肪組織や,縞模様までみえる細い末梢神経や,生きていることを実感する拍動する動脈などをみてみてください.きっと顕微鏡手術が好きになると思います.
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