境界領域/知っておきたい
CKD-MBD (chronic kidney disease-mineral and bone disorder)
伊藤 純
1
,
深川 雅史
1,2
1神戸大学医学部附属病院腎・血液浄化センター
2神戸大学大学院医学研究科腎臓内科学分野
pp.652-656
発行日 2009年7月25日
Published Date 2009/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101540
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■はじめに
骨は,四肢・体幹の支持組織であると同時に,カルシウム,リンの緩衝作用を担う貯蔵庫である.また,腎臓は,骨・ミネラル代謝において中心的な役割を果たす臓器であり,腎機能が低下すると,その恒常性が大きく障害される.さらに,近年,「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD;chronic kidney disease-mineral and bone disorder)」は,骨折,骨痛などにより患者のQOLを大きく損ねるとともに,それに伴う血管の石灰化が心血管疾患を引き起こし,生命予後にも重大な影響を与えることが明らかにされてきている.
本稿では,腎機能と骨・ミネラル代謝の関係,疾患概念の変化,治療の進歩,今後の方向性と課題について述べる.
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